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俺は学生服を脱いで、咲にそっと掛けた。
「…………?」
咲は少し驚いて、俺の顔を見る。
「寒いんだろ?」
「……うん…ありがと」
咲は少し顔を赤くすると、俺に体を密着させた。
「こうすれば…こうすけも……寒くない」
「…ありがと」
学生服を脱いで少し寒かったのに気付いたのかな。
咲が寒そうにしてたから貸したのに…。
「こうすけ……ばか」
「ん?」
「…私に…優しくするから……寒くなるんだよ」
「優しい馬鹿だろ?」
「うん…ばか」
咲は終始微笑みながら話している。
付き合い出してから、咲の笑顔が増えた。
もっといえば、喜怒哀楽がはっきりするようになった。
そこでわかったことが一つ。
咲を怒らしてはいけない。
……………すんげー怖いから。
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