空を見上げて

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「…大丈夫じゃ……ない」 今度はしっかり聞き取れた。 「怪我してるのか?」 この質問に対しコクンと頷く。 「どこ怪我してるの?」 じいっと好輔の方を向いたまま動かない。 「ていうか、喋ってくれないとイマイチわからないから、どこを怪我したのか教えてくれないか?」 キーンコーン カーンコーン ホームルーム開始のチャイムが鳴る。 「……………遅刻」 「はい、遅刻です」 「………………………捻った…」 「えっ?」 「…足を……捻った」 「おぉ、大丈夫か?」 「……………………」 「……………………」 沈黙が続く。 「………………遅刻…」 なにかを求めている視線が好輔にひしひしと伝わる。 「あ、先に学校に行って先生呼んで来るからここで待ってて」 そう言って好輔は学校に歩きだそうとしたが──── がしっ ズボンの裾を捕まれた。 「はい?」 「……………違う」
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