この空を、二人で

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12月10日。 後期中間試験も終わり、あとは冬休みになるのを待つだけ。 そして、クリスマスまであと二週間と一日になった。 「…こうすけ」 「ん?」 「もうすぐ…クリスマスだね」 いつも通り咲と屋上で昼食を食べたあと、午後の授業が始まるまでゆっくりしている。 『あの日』咲にプロポーズ(公開)をしてから、クラブをしていた生徒を通じてみんなにバレてしまった。 そりゃそうなるよな、あんな大きな声で言ったらみんな聞いてるっての。 別に付き合いはじめたからといって変な意識があったのは最初だけで、一ヶ月以上たった今では前と変わらぬ落ち着きを見せている。 「…私の家に…来ない?」 「何がだ?」 「……クリスマスの日…私の家で……遊ぼ」 「あ、良いよ。咲ん家な」 「ん…私ん家」 咲はふふと微笑みながら、体育座りをしてギュッと体を縮こめる。
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