傷心

3/7
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
ある休日、何もすることがないトシヤは家の近くの本屋に行った。学生時代に旅行サークルにいたトシヤは、どこか1人で旅行に行こうといろんな街や国の本をあさっていた。何冊かあさったが興味をひくものがなく、学生時代のサークル仲間で親友のマサトに電話で聞くことにした。 「もしもしマサト!今、ちょっといいか?」 「あぁ、トシヤか!どうした?」 「今度有給休暇をとって1人旅でも行こうと思ってさ。行きたいところもないし、いいとこないか?」 「一応あるけど、なんで1人なんだよ?ユイちゃんと行かないのか?」 トシヤは一瞬たじろぎ、答えた。 「…ユイとはこの間、わかれたよ…。」 「えっ?」 マサトは驚きと、自分の不謹慎な問いかけに言葉を失った。トシヤがそれに気付いたように話し出す。 「いろいろあってな…。それより、どこだよ!お前のオススメの旅先?」 「あぁ…この間出張で中国の上海に行ったんだけど、街並みがいいしメシも上手い!特に夜景なんかは最高だぞ!」 マサトは、トシヤの口調が強がっているのがわかったがすぐに返した。 「そうか、じゃあ上海に行ってみるか。ありがとな!」 「おう!帰ったら、土産話聞かせろよ!」 2人はそのまま電話を切った。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!