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ある休日、何もすることがないトシヤは家の近くの本屋に行った。学生時代に旅行サークルにいたトシヤは、どこか1人で旅行に行こうといろんな街や国の本をあさっていた。何冊かあさったが興味をひくものがなく、学生時代のサークル仲間で親友のマサトに電話で聞くことにした。
「もしもしマサト!今、ちょっといいか?」
「あぁ、トシヤか!どうした?」
「今度有給休暇をとって1人旅でも行こうと思ってさ。行きたいところもないし、いいとこないか?」
「一応あるけど、なんで1人なんだよ?ユイちゃんと行かないのか?」
トシヤは一瞬たじろぎ、答えた。
「…ユイとはこの間、わかれたよ…。」
「えっ?」
マサトは驚きと、自分の不謹慎な問いかけに言葉を失った。トシヤがそれに気付いたように話し出す。
「いろいろあってな…。それより、どこだよ!お前のオススメの旅先?」
「あぁ…この間出張で中国の上海に行ったんだけど、街並みがいいしメシも上手い!特に夜景なんかは最高だぞ!」
マサトは、トシヤの口調が強がっているのがわかったがすぐに返した。
「そうか、じゃあ上海に行ってみるか。ありがとな!」
「おう!帰ったら、土産話聞かせろよ!」
2人はそのまま電話を切った。
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