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第2章…試験
「ね~セツナさん。」
「ん。なんだワユ?」
「さっきも聞いたけど異界人って何?」
「そのままの意味だ。外の世界からこのカエムル大陸に来た人間のことだ。お前以外にも何人もいる。」
「で、テリウス大陸に戻れるの?」
「異界人が元の世界に戻れたことはないはずだ。」
「そっかぁ。どうしよう?そうだ!セツナさん傭兵だよね。私も向こうで傭兵だったの。セツナさんの傭兵団に連れてって。」
「ほぅ。お前傭兵か。なら先に砦に行くか。こっちだ。」
そういいながらセツナとワユは傭兵の砦に向かった。
歩いてからしばらくすると、
「ここだ。コルニクス傭兵団。」
「結構大きな砦だね。もしかしてめちゃくちゃすごいところ?」
「まぁそれなりだと思うが。お~いミトラ。」
「おかえりセツナ。あら、そっちの子は?」
ミトラと呼ばれた女性はワユほどの年頃でとても傭兵とは思えないほどごく普通の女の子に見えた。
「はじめまして。あたしワユ。この傭兵団に入りたいんですけど。」
「入団希望者ね。それじゃあ相手は…」
「俺がやる。」
「!えっ、でもセツナ相手じゃ。」
「安心しろ、どれぐらいできるか見るだけだ。」
「セツナさん。相手って?」
「この傭兵団には入団試験があって団員との1対1だ。」
「要するにセツナさんと戦えばいいの?」
「そうだ。始めるぞ。構えろ。」
お互い剣を構えた。先程の戦いでセツナの異常な強さを目の当たりにしたワユは実戦並の緊張感を持ち剣を握った。
「来い。ワユ。」
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