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第4章…運命の始まり
「セツナさん。お願いがあるんだけど。」
「まぁ、聞ける内容ならいいぞ。」
「あたしに剣を教えてよ。」
「いや。十分強いぞ。」
「十分じゃダメなの。セツナさんと同じぐらい強いなりたい。」
「ならしっかりついてこい。」
「じゃ~セツナさん。これからは師匠って呼ぶね。」
「師匠って、まぁいいか。着いたぞ。」
「ここが…予想してたよりずっと小さい。」
「リベルタスは傭兵の国だからな。おい、そこの門番。」
「!セツナ様、ようこそおいでくださいました。そちらの方は?」
「異界人の連れだ。」
「ではそちらの方はこちらに。セツナ様は王室まで。」
「ワユ、終わったらここで待ってろ。」
「わかった。師匠。」
そしてセツナはワユと門番と別れ一人王城の中に入って行った。王城の最上階まで上がり王室の扉を開けた。
「失礼します。お久しぶりですね国王。」
「おぉ、セツナか。もう半年程になるか。」
「はい。さて、私に依頼というのは?」
「そうだったな。セツナ、これをライラ女王に渡し、ライラのものを私のところまで持ってきてほしい。これが今回の依頼だ。」
「八星玉ですか、わかりました。ではさっそく。」
「待て。出発は明日にしてくれ。」
「何故です?」
「近頃アースガルドの動きが妙だ。各国の宝獣将を無理矢理王城に戻し密偵を送っている。恐らく狙いは八星玉と君らの命だ。ホークリンは戦争を起こすつもりだと思う。明日コルニクス傭兵団にうちの腕のある兵隊を送る。彼らと共に行動してくれ。」
「承知しました。ではこちらからも一つ聞いてもらえますか?」
「構わん、言ってみろ。」
「一人だけ仲間を連れて行きたいのですが。」
「君以外の傭兵にはあまり知られたくないのだがな。一人ならよかろう。」
「ありがとうございます。では明日の明朝、砦の前で待ってます。」
「わかった。」
「では。」
そう言って王室を出た。セツナが王城を出るとワユはすでに待っていた。
「あ、師匠。遅かったね。」
「悪いな。かなり大事な仕事だそうだ。じゃ帰ろうか。」
「あれ、仕事は?」
「明日からだ。ワユ、お前もついてこい。」
「わかった。そうだ、さっきあの門番にテリウス大陸のこと詳しく聞かれたんだけど、意味あるの?」
「前にも言ったが元の世界に戻れた奴がいないから、その手がかりを探してるんだ。」
「そうなんだ。じゃ帰ろっか。」
「あぁ。」
二人は王城を離れて行った。
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