24人が本棚に入れています
本棚に追加
第5章…出発
「あ。セツナ、ワユさんおかえり。」
「ただいま。ミトラさん。」
「ただいま。明日、仕事に行くから倉庫の鍵を貸してくれ。」
「倉庫の鍵ね、ちょっと待ってて。…はい。」
「ミトラ。ワユにいろいろ案内してやれ。」
ミトラにそう言うとセツナは一人倉庫に向かった。
「じゃあワユさん。ワユさんの部屋に案内するわ。」
「あたしの部屋があるの?」
「もちろん。セツナ相手に合格したからかなり上の階級よ。」
「上の階級って?」
「この傭兵団は階級ごとに部屋が決められてるの。ちなみにワユさんは9番よ。抜け番だけどね。」
「ありがとう。ミトラさんは何番なの?」
「私は0番。」
「0番?」
「私は戦えないの。私は作戦参謀。」
「そうなんだ。(あ~どうりで。)」
「ここよ。」
「わ~すごい。こんな部屋ありがとう。」
「ふふっ。どういたしまして。それじゃあ後は酒場とか倉庫とか案内するね。」
「は~い。」
その後酒場や遊技場や武器の練習場などをまわり最後に倉庫に行った時
「ミトラ。ちょうど良かった。ほら。」
「はい。ワユさん、ここが倉庫。武器や魔道書や傷薬が十分に備わっているから自由にとっていってね。これで案内は終わりよ。」
「ワユ。お前の分だ。しっかり休んどけ。」
「ありがとう師匠。ミトラさんもありがとね。」
「師匠?」
「気にするな。それよりミトラ、後で話があるから部屋の前に来てくれ。」
「え。うん、いいよ。」
そうして一度別れ、その日の夜。
「セツナ。話って何?」
「あぁ。国王の依頼なんで俺らは明日ライラに行くんたが、ホークリンが宝獣将を消そうとしているらしい。」
「アースガルド国王がセツナを?なら私も。」
「いや。この依頼は俺とワユと王城の兵士でやる。」
「でも…」
「大丈夫だ。その代わりと言っちゃなんだがお前に依頼がある。」
「私に?」
「アースガルドのやつは俺達がライラに行くことを知らない。俺を狙うならまずここを攻めるはずだ。俺が帰ってくるまで砦を守ってくれ。」
「わ、私にそんなことできないよ!」
「お前ならできる。俺が唯一信頼する作戦参謀だからな。」
「セツナ…。うん、わかった。絶対帰ってきてね。」
「じゃあ俺は寝る。」
「おやすみ。セツナ。」
「おやすみ。ミトラ。」
そして。日が昇り、朝が来た。出発の日だ。セツナとワユが砦の入り口に行くとすでに五人の兵士が立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!