いらっしゃいませ。

4/7
前へ
/32ページ
次へ
「っくそうぅーぉおっ!!」 「どうされました? 大丈夫ですか?」  いつの間にか俺は我を忘れていたようだ。頭を抱えしゃがみこんでいた俺の頭上から、若い女性の声が響いた。 「あ、いえ――……ん?」  恥ずかしさもあって、慌てて立ち上がり女性な言葉を返した。見上げた顔は、どこか見覚えのあるような懐かしさを含む一人の女性。 「よかったら、気晴らしにヘアチェンジでもしませんか? ずいぶん伸びてるみたいだし」  ああそうだっ!  夢に何度も現れた、美容室の女性だ!  髪は明るみのあるブラウンで柔らかいウェーブのかかったボブと、色白の肌が際立つパッチリしたアイメイク。 「は、はい!!」  俺は緊張と興奮でそう応えるのがやっとだった――。  image=347403213.jpg
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加