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「っくそうぅーぉおっ!!」
「どうされました? 大丈夫ですか?」
いつの間にか俺は我を忘れていたようだ。頭を抱えしゃがみこんでいた俺の頭上から、若い女性の声が響いた。
「あ、いえ――……ん?」
恥ずかしさもあって、慌てて立ち上がり女性な言葉を返した。見上げた顔は、どこか見覚えのあるような懐かしさを含む一人の女性。
「よかったら、気晴らしにヘアチェンジでもしませんか? ずいぶん伸びてるみたいだし」
ああそうだっ!
夢に何度も現れた、美容室の女性だ!
髪は明るみのあるブラウンで柔らかいウェーブのかかったボブと、色白の肌が際立つパッチリしたアイメイク。
「は、はい!!」
俺は緊張と興奮でそう応えるのがやっとだった――。
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