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電気を消したくらい部屋で、声を殺して泣いた。
あなたには気付かれないように。
ベットの脇にいつの間にやらあなたの気配が近づく。
「どうした?泣いてる?」
「泣いてないよ。大丈夫。」
バレたかもと心臓が鳴った。声が少しかすれてしまったから。
突然、暖かいベットに冷たい空気が舞い込む。
少し乱暴にあなたが私のベットに入ってくる。
びっくりして私は体を固くする。
肩に触れるあなたの暖かな手。
耳元にあなたが近づいてくるのに気付いた。
「ちゃんとこっち向いて。」
「やだ。」
拒んだら、少し間を空けて無理矢理動かされた。
体ごとあなたの方へ。
「泣いてる…。」
私の頬に触れるあなたの指。
優しく涙をふき取ってくれた。
理由は聞かれなかった。
ただ抱き締められたら。
私の頭はあなたの胸に…。
あなたの手は私の背中に…。
甘えることを知らない私は、あなたから逃げる。
あなたは必要以上に私を抱き締める。
それだけで
流れる涙を止めることが出来なくなった。
「ごめん…ごめんね。」
「いいから…」
あなたに頭を撫でられる。
あなたの手の心地よさに安心する。
あなたという存在に安心する。
私のベットであなたと2人。
あなたの暖かさと優しさに包まれて、つい私はうとうとしてしまう。
それを見てあなたは囁く。
私にとって極上の甘い言葉を…。
「オレはいつでもそばにいる。
約束するよ。
だから泣くのはオレの前だけにしてくれよ?
他の奴がお前を慰めるなんてごめんだかな。」
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