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「いやー災難だったねー。せっかく人の命を助けたって言うのにまるで犯罪者扱い! 俺も実はみてたんだけどさー実際凄かったよ君の能力。初めて見たんだけどさあ。こうピタッと止めるのかな? 僕らからじゃ君の後ろ姿しか見えなかったからヒヤッとしたよ~。あ、因みにあれやってる時に下から見たらもしかしたらパンツ見えてんじゃないかと思って急いで教室に戻ったんだけど、もう引き上げられてて~残念!! みたいな? アハハハハハ」
この五月蝿いのは河西翔也(カサイショウヤ)。
見た目は中学生ぐらいに見える、ちょい童顔な風貌は本人は全く気にしていないようだ。
幼さを引き立てるかの如きニット帽からは茶色の毛がはみ出ていて、今日も明るく笑っている。
毎回、翔也はこのように長々と話す。
だが、あまり受け答えしようとする者は少ない。答えようものなら、確実にその10倍以上の文字数で話すからだ。
あぁ、面倒くさい……。
俺はいつも通りあからさまに嫌な顔を向けているが、この時ばかりは周りと同調しているらしい。皆一様にシカトするか俺に笑いかけてくる。
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