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「とにかく凄かったよ~。ねぇ、君も見たよね?」
そう言って他の男子にふる。
「…あぁ、見てたよ本当に…うらやましいね。どうしたらそんなのが出来るのか、是非とも知りたいもんだよ」
明らかに嫌みな口調で言い放たれた言葉に耳は傾けるが、反応はしない。
たまにいるこういう非能力者は能力者に対して憧れにも似た劣等感を感じている者も少なくない。
地球上で0,01%しか存在しない能力者達にとっては、先の様な僻(ひが)みは通過儀礼といったところだろう。
言われ慣れているとはいえ、良い気分とは程遠いな。
そのトゲのある言葉を吐いた男に対して、俺は聞こえない様に呟く。
「脇役のクセに……」
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