疑問と鍵

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眠気の増す午後の授業も終わり、放課後になった。半分位の生徒は休み時間の様に談笑している。 「よし、やっと終わったな。帰ろうぜ、犀川」 創助にそう促され、俺も帰り支度を始める。手早く鞄を整理し、俺達は学校を出た。 帰り道、俺はは直ぐに帰りたい気持ちが強く、何処にも寄る素振りを見せずに歩いていると、創助は会話作りのためにか余計な一言を吐く。 「それにしても、今日は災難だったな」 やっと忘れかけてきたのにぶり返しやがった……。 「まだ言うかよ」 目を半目にして、今日何度目か分からない溜め息が出る。 「いや、まぁでも能力使ったんだし、仕方ないところもあるよな」 「…………」 それは違うと言おうとしたが止めた。何故ならそれが大多数の人の意見だからだ。いや、ほとんどの人がそうなのかも知れない。 能力者にも非能力者にもこの考えは浸透している。 非能力者には特に。 これの理由は少し過去話にふれることとなるだろう。
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