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「なぁ……」
「何?」
「なぁって」
「何だよ」
こっちを見ようとしない態度を見て質問を変える事にした。
「……いい加減さあ、話そうとしてるんだから少しは目を合わせろよ」
創助は誤魔化す様な苦笑いで
「こればっかりは勘弁してくれよ。別にシカトしてるわけじゃねーんだし。それに、目は合わせられないのは今に始まったことじゃねーだろ?」
と言った。その最中も、進行方向を真っ直ぐ見据えている。
「そうだけどよ……」
もういいや。創助に言った事はないが、どうせ誰に言っても今までと同じ。考え過ぎだと相手にされないだろう。
するつもりだった質問は止めて、十字路で俺達は別れた。
俺はそのまま歩いて行き、住んでいるマンションの前に到着した。
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