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「いつもダラダラしてるなお前は。なあ、屋上行ってみないか? 面白そうだぜ」
ダルく顔を上げると、そこには俺とは対照的なスポーツマンっぽい黒の短髪。そして、やはり俺とは真逆の、やる気に満ち満ちた顔をした男が立っていた。
コイツの名前は二条神創助
(ニジョウガミソウスケ)。中学時代からの付き合いだ。
大概は俺につまんねー提案をしてくる。腐れ縁ってやつの部類に入るのかな。早くその縁も腐り落ちてほしいもんだ…。
「面白いもんかよ、もう何回目だと思ってんだ。そいつも皆も……よく飽きないな」
やれやれと付け加えて目を瞑り、パンを食べ続ける。
だがそれだけではこの男は引き下がらない。そのことは俺も十二分に分かっている。
「犀川、見ずぎらいはよくないぞ。お前は実際には見に行ったことねーじゃねーか。いいからこいよ、ほら」
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