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早く諦めて行ってくれることを祈りつつ、最も素っ気なく返してみる。
「やだね。俺は昼飯中だし食った後は木陰で惰眠を貪る予定があんだよ。行くなら1人で……」
言い終わらない内にパンを取り上げられ、一口で食べられる。
「おい……」
俺が小さく反抗の意を示すも、やっとの思いで飲み込んだ様子の創助が、得意気にあざ笑う。
「これでお前の昼飯は俺の腹の中。中庭に行く予定も屋上に行くことでキャンセルだ」
……目論みは失敗に終わった。
さあ行くぞと腕を掴まれ、観念してついて行くことになってしまった。
屋上に着くと、かなりの数の生徒兼野次馬がいた。
「おお、いるわいるわ。皆も暇だよなあ」
「お前が言うな」
人混みを割っていきながらそんな事を言ってると、あの女生徒が叫ぶ。
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