アサミ

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タバコに火を点けようとして取り出したジッポを眺め、真っ暗な中海風にあたりながら立っていると声を掛けられた 『火持ってる?』 声の主はGジャンに皮パンの女性 そう、俺がヒップタッチをした彼女だ 内心マズいと思ったが素知らぬ顔でジッポを差し出した 『ありがとう』 『いえ』 『中の人達と一緒に自慢話したり飲んだりしないの?』 『仲良しサークルみたいなのは苦手なんで…』 『私も同じ…』 『何度目?』 『私?何もかも初めて。』 『は?』 『1人のツーリングも長距離も北海道もキャンプも全部初めて』 『はぁ⁉随分無茶するねぇ(笑)』 『名前は?私はアサミ、28よ』 『あ、サエキ コウスケ、26。』 『私より年下か…』 『なんでいきなりロングソロが北海道なの?』 『ん……まぁ簡単に言えばバカにした人を見返そうと思って』 『へぇ…』 『コウスケくんはなんで北海道行くの?』 『コウでいいよ。大した理由はないけど…』 『さっき借りたライターを見つめてたけど理由の一つ?』 見られていた
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