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僕は気分的勢いに乗って、一つの冊に手をかけた。
ちょっと引っ張るくらいじゃびくともしない。
ひ弱な僕は、足腰に力を入れてかけた手をググっと上げる。
お空はそんな僕を静かに見守っている。
フンヌ、フンヌと鼻息荒くしてそんな冷静な空に吸い込まれそうになってしまう。
『これでもかぁぁ!!』
実は内気な僕が、こんな大きな声を力いっぱい張りあげたのは、初めてかもしれない…
というくらい、声は周りに響いていた。
その時である。
土に埋まっていた部分がひょっこり外に出て、それまで重かったはずの白い冊が僕と一緒に宙を舞ったのは…。
何が起こったかわからない。
『ぷはぁ!!苦しかったぁ』
なんて声も聞こえる...。
聞こえる?
誰の声?
僕ぐらいしか、ここにはいないハズじゃ。
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