Dear

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ルエルは父・母・兄が一人の四人家族。しかし数年前から仕事が忙しく長期で家を空ける事が多くなった。 やり取りはしているものの、誰かが出発すると誰かが帰って来るという日々が続いている。 今日みたいに会話出来る日はまだ良い方で、帰って来ても雑務やら研究に追われ顔を合わせる機会すら無かった。 (もうそろそろ来る頃かな) ルエルが時計に目を向けたと同時に来客を告げるベルが鳴る。“はーい!”と声をかけて扉を開ける。 「よっ、チビガキ。感動の再会で泣いてねぇか?」 「チビガキじゃありませんし泣いてもいません!」 「つまんねー……あ、今から泣いてもいいぞ?オレの胸に飛び込むがいい」 にこやかに両手を広げる女性に、ルエルは冷ややかな視線を送る。腰まで届く艶やかなオリーブ色の髪に少しつり目の蜜色の瞳。“黙って何もしなければ”誰もが目をひく美人。 彼女――ヴィオラはルエルの母親の友人で、何度も遊びに来ていた。 「何でそうタイミング良く現れるんですか?」 「それはだなぁ……おっ!すげぇ盛り沢山だな。お菓子に縫いぐるみに……この顔みたいな絵は魔除けか?」 リビングに入るなり視界に入るプレゼントの山。テーブルから溢れそうになっている。
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