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「お前は……?」
いや、彼女だけじゃない。膝に手を付いて俺を覗き込む彼女の後ろには、何人もの人間が俺の事を静かな眼差しで眺めていた。
「救世主様……ですね。お待ちしておりました。」
「え?」
くらくらする頭を一喝し、俺はゆるやかに深呼吸。救世主? コイツは一体何を言っているんだ?
「なあ、此処は何処なんだ? ていうか、お前は……誰だ?」
何が言いたいのか、何が聞きたいのか、俺の中で纏まらない。どうやら俺は、予想外の出来事に混乱しているようだ。
当然といえば当然か。目が覚めたら地面の上、コスプレ少女に「救世主」。しかも、よく見ると背後の人間達もおかしな格好をしていた。
男が二人、少年が一人。女が一人、少女が二人。皆、共通している事は、彼らの頭の上に動物の耳が乗っかっている事だ。
そして皆、ひょろりと背が高いが風が吹けば折れてしまいそうな程細い体躯なのが目についた。
何だこれは。人間動物園か? ゲームのコスプレイベントか? それとも、俺がおかしくなったのか?
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