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「ケイ様に分かりやすく知ってもらうために、簡単に経歴を説明致します。」
「ケイ様て……そんな呼び方はしなくていいって。」
堅苦しい呼び方は、自分が呼ばれているように聞こえない。
「今でははるか昔、人類が栄えていた時代は一度滅びかけます。大体……ケイ様が居た時代より、約千年後の話です。」
俺が居た時代から千年後……? 唐突に漠然とした説明が始まり、俺はその説明を飲み込むのに一瞬遅れる。
てか、様付けは無視か。
「理由は資源の枯渇、自然の消滅、人類の増加などです。どうやら人類は対策を講じていたようでしたが、それは千年ほど寿命を延ばしたにすぎませんでした。そんななか、加速的に数を減らす人類の中で、ある特殊な力に目覚めた人類が生まれました。それは、種が絶滅される中で生まれた、進化した人類です。」
「進化した人類?」
あまりに突飛な話ではあるのだが……何故だろう、素直に信じている自分がいる。
「そう、知能指数が人類より高く、そして科学では説明出来ない……まるで超能力のような力を持った人類です。彼らは、自らを人類より進んだ人類として『進人類』と呼びました。」
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