錆びた世界、磨かれた世界

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「そして、数千年が進みます。自分の考えに固執していた進人類達は、ある行動に移ります。」 「それは?」 「自分達が優れていると思う力によって、相手を屈服させようと。」  ますます馬鹿馬鹿しい話になってきた。要するに、プライドの張り合いだ。  自分の考えが一番だと思い込み、それを相手にも強要する。典型的な押し付けだ。 「度重なる衝突が千年以上続いた中で、彼らは進人類から更に進化を遂げていました。そして、彼らは自分達を進人類とは呼ばなくなりました。」 「…………」  ヌルリと不快な汗が首筋を伝ったような気がした。慌てて手のひらで拭うが、その不快感はとれない。  はあはあと俺の呼吸がやたらと耳につく。苦しい。 「知能が高まった事が優れていると主張した進人類達は、自分を真の人類として『真人類』と。超能力のような力を優れていると信じた進人類達は、超能力を神通力と呼び自身を『神人類』と。真人類はその驚くべき知能で、神人類は備わった超能力を使い、今も対立しているのです。」
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