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「お前……一体……?」
ゼイ、と荒い息を吐き出しながら、少女に質問をぶつける。すると、少女はパクパクと何やら言葉を発するように口を開いた。
しかし、その口から言葉は出てこない。
「何? 聞こえねーよ。」
聞こえていな事をジェスチャーを交えて少女に伝える。すると、少女も自分の言葉が俺に届いていないと気付いたようだ。
困惑した表情を浮かべると、オロオロと落ち着かなくなる。
もしかして、喋れなくなってしまったのだろうか?
「なあ、お前は何なんだ? 人はすり抜けるし、変な服にネコミミまで付けて、幽霊……じゃなさそうだが。」
恐る恐る、俺は少女の方へと一歩踏み出した。訳の分からない少女に恐怖はあったが、それよりも好奇心の方が強かったのだ。可愛らしい少女とネコミミなんて、怖さを感じない外見もあるのだろうけど。
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