父・壱夜の場合

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  『‥‥‥‥双葉兄、その辺で止めないと父さん仕事‥出来なくなるよ‥‥』 仲裁しに部屋へと入り椎那が見たものは、壱夜へ何かの技を仕掛けている双葉の姿。一体どこでそのような技を覚えてきたのだろうかと考えつつも、とりあえず止めねばと思い仲裁へ入る。 『あ、‥‥あー‥わかった。』 まだ怒っているのだろう、眉間に皺を寄せつつ椎那の一言に唸りながらも渋々壱夜から離れる双葉。父である壱夜は、屍の如く床へ倒れ込んでいた。 『‥‥し‥椎ちゃん、ありが‥と‥』 椎那の顔を見上げると苦笑いをしながら礼を言う壱夜を見て、ため息をつきながら双葉と椎那は二人がかりでベッドへ運び寝かせた。 ベッドへ入るなり壱夜は直ぐに夢の中だ。 『‥‥双葉兄‥‥最近技の種類増えたよね‥』 眠る壱夜の姿を見ながらぽつりと話す椎那を見ると、笑いながら双葉は部屋を出ていってしまった。
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