父・壱夜の場合

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  10年前、妻が病気で死んだ時、俺は5人の小さな子供達をちゃんと育てられるのか不安だった。 長男の双葉だってまだ11歳だった。本当はまだまだ遊びたい時期だろうに俺の負担を少しでも減らそうと思ったのか、下の妹や弟達の面倒をよく見ていた。 そのおかげで俺は仕事をすることができたのはたしかだが、その時からだろうか、前はどんどん浮かんできた小説のアイディアが浮かばず、よく締め切りを破る癖がついていた。 良いアイディアが浮かばない。子供達の面倒を十分に見きれない俺は、お前達に沢山の愛情は注げただろうか?
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