† 底 †

2/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
眩しいくらいの太陽 いつもと変わらぬ光でこの世界を照らす どんな場所にでも届いてしまいそうな 強い光 僕はソレが憎かった 眩しくて 眩しくて 見上げることも出来なくて 届きそうで届かない 光でもあったから いくら街を照らしても いくら穏やかな温もりを降り注いでも 僕には 僕の立つ この場所にはけして届かないからだ… そんな外の世界を 透き通るほど透明な窓越しに眺めては ほの暗い部屋へと視線を戻す 僕は 今日もひとりなのだと 思い知らしめるような まるで 深い 深い 海の底にでもいるようで 上手く息が出来なくなる そんな 空間で
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!