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「ひぃふぅいふぇふふぉ?」
「……とりあえず、食べ物飲み込んで」
何を言いたいのかさっぱりわからない。
ゴクリと飲み込んでから
「乾鉄浪?」とふたたび、市来は尋ねた。
「知ってはいるけどどした?」
「昨日、本をカツアゲされてさ……」
聞かれて昨日の朝起きたことを話した。
「だからなんとか取り返したくて」
実際そう考えてはいるし嘘ではない。
しかし、なぜだろう。
「うーん……沢村だから嘘とは思わないけど、建前っぽく聞こえるのは気のせい?」
市来に言われて自分でもそう思ってしまう。
だが市来は「ま、いっか」と深く気にしなかった。
「えーとアレはどこいったかな……」
そういいながら市来はポケットを漁りはじめた。
そしてバインダーの付いたメモ帳を取り出した。
メモ帳を開く前に市来は口を開いた。
「乾に関しては俺も多くは知らない。だから正直に言って参考程度にしかならないってこと、先に言っておく」
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