最悪な印象

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「『魔法とは誰にでもある素質がある特殊な力である』か、ふーん……」 一人の生徒が本を読みながら通学路を歩いている。彼の名前は沢村浩(さわむらひろし)、学ランのえりの刺繍から二年生ということがわかる。髪は自然の黒で短く眼鏡をかけており学ランのボタンも全てしっかりとつけており、どこに出してもはずかしくない格好だ。部活には入っておらず、自宅でファンタジーものの本を読むことを趣味にしている。 「あっ、すいませ……」 本を読んでいたため肩がぶつかってしまった。反射的にあやまったが最後まで言えなかった。 「あぁ!?」 ぶつかった相手が悪かった。 沢井がぶつかってしまった相手の名前は乾鉄浪(いぬいてつろう)、校内でも有名な不良だ。髪は茶色、服装も学ランのボタンも外しており沢井とは真逆の格好だ。 「誰にあやまってんだ、あ?」
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