最悪な印象

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「あっちゃー、また遅くなった」 空の色が赤から藍色へ、そして黒へと変わってゆく時間、沢村は一人つぶやきながら歩いていた。 遅くなった理由は放課後から図書室で本を読んでいたからである。 ちなみに、読書で帰りが遅くなることは沢村にとって毎度のことである。 (あの続き、はやく読みたいな。主人公がとる行動がなんなのかすごく気に……) 「あれ?」 沢村は足を止めた。正面に見える公園にだれかがいたような気がした。それだけなら気にする理由もないのだが、一瞬見えた服装が自分と同じ制服に見えたような気がした。 「こんな時間になにしてんだろ?」 たんなる好奇心から沢村は公園に入っていった。
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