5人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっちゃー、また遅くなった」
空の色が赤から藍色へ、そして黒へと変わってゆく時間、沢村は一人つぶやきながら歩いていた。
遅くなった理由は放課後から図書室で本を読んでいたからである。
ちなみに、読書で帰りが遅くなることは沢村にとって毎度のことである。
(あの続き、はやく読みたいな。主人公がとる行動がなんなのかすごく気に……)
「あれ?」
沢村は足を止めた。正面に見える公園にだれかがいたような気がした。それだけなら気にする理由もないのだが、一瞬見えた服装が自分と同じ制服に見えたような気がした。
「こんな時間になにしてんだろ?」
たんなる好奇心から沢村は公園に入っていった。
最初のコメントを投稿しよう!