最悪な印象

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電気が走ったようような音が聞こえた。 (え?) 沢村は信じられない光景を目にした。 乾から電気が走ってる! (なんで!?) よく見れば、電気が走ったところから乾の体が一回りほど大きくなっている。 それが体毛によるものだということに気がつくのにたいして時間はかからなかった。 沢村はあまりに信じられない光景にその場から動けないでいた。 乾の姿はヒトではないものに変わっていたからだ。 それは一言でいえば、狼が二本足で立ったような、あれはまさか…… 「狼男……?」 沢村は知らずに声を出していた。 「誰がいるのか!?」 まずい、気づかれた!? 慌て木に隠れたがすぐに見つかってしまうだろう。 どうすれば…… 考えていると隣からガサガサと音がする。 ミャー…… 「……猫、か」 乾がそうつぶいた時、沢村はその場から逃げ出していた。
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