第2球 ~夏の出来事~

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「…いいもん、お兄ちゃんのバカ」  遊んでくれない兄にそっぽを向いて、美幸は一人、野球のボールを持って近くの公園に歩いて行った。 「お母さーん、行ってきまーす!」  美幸は大きな声で母に遊びに行くことを告げ、家を飛び出した。 時刻は朝の十一時。蝉はまだ、鳴いている。
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