〈Ⅳ〉~遥の求人

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  「私はもっと人を見る目があると思っていたよ」 遥は夏野 蜜柑のことを説明すると溜め息を吐いた。 溜め息を吐く遥を見ながら朔月は笑った。 普段からのんびり仕事をこなす遥にはキツいモノがある。 それならば長くても1、2週間で限界が来るだろうと悠が見切りを付けた、ちょうどこのタイミングで遥は蜜柑をクビにする。 自分の兄の鋭さに笑みがこぼれた。 そして、また明日から3人分の料理を作る機会が増えるのだろうと思うとまた笑みが湧いて出た。 「賭は僕の勝ちだね」 朔月は両手を上げた。 「参りました 降参です」 2人が笑い合う理由が分からない遥であった。  
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