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【昼休み】3階 空き教室
朔月と合流した悠と遥は空き教室の窓際で昼食を取っている。
いつも昼食を取るこの教室は殆ど生徒が来ないので、3人が良く利用していた。
「遥さんお味噌汁おかわりは」
「ありがとう。頂くよ」
そう言って紙コップに水筒から味噌汁を注いでいく。
「それで何の話だったか」
「国語の授業で君はなんて書いたのかって話」
悠はそう言ってから溜め息を吐き、卵焼きを口に運んだ。
遥の希望で甘口の卵焼きだが、悠はたまには塩気のある卵焼きが食べたかった。
もちろん甘口卵焼きは旨いのだが…
「私は『付き合うなら、後悔して自殺するような軟弱な男性ではなく、最善を尽くして相手を自殺に追い込む立場の男性が良い』と書いたな」
国語が余り好きではない遥が真面目に授業を受けているのは、ノートを見る相手が久梨子先生だからだろう。
遥は楽しそうに話していた。
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