〈Ⅵ〉~番外編の中の番外編

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  【放課後 帰り道】 6時間目は授業変更により自習となった。 そして放課後はまたもや世界史の話に、その中でも宗教の話になったのだった。 「確かに宗教は多いし、そのうえテストに細かく出題されるから困るよね。牛を食べない宗教は?次に豚は?とか」 「嗚呼、世界史はカタカナ表記が多くて嫌になるのに、細かく出題されても覚えるのは大変だ」 遥はそう言って朔月が羨ましいと呟いた。 「1年生は現代社会の授業だからね」 「でも遥さん宗教好きじゃなかったの。この前お兄ちゃんと何か話してたよね」 「嗚呼、あれは神様について話をしていた」 「神様?」 「神様は何をしても許されるんだ。例えば殺しだ」 「昔は本当に神様を信じていたのだろうね。自分たちが理解出来ない事が多々あったから」 「でも考えてみろ。カルト教がなんで平気で事件を起こすのかとな。神の代弁者だとか、神の血が宿るとかトチ狂った事言って責任をすべて神様に押し付けてるのさ」 「だから遥は言ったんだよ」 「なんて?」 「神様が本当に居るのなら人間なんかもう見切りをつけているってね。切り捨てるべきモノだってね」  
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