〈Ⅵ〉~番外編の中の番外編

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  朔月はだから、と首を傾げた。 「だから奇跡なんて如何にも神が与えるモノは信じるなって、話していたんだよ。信じるなら形有るものだって」 悠はそう言って朔月の頭の上に手を置いた。 「だから私は朔月を信用しているし、悠も信用しているという事だ。別に宗教が好きという話はしてないよ」 「私もお兄ちゃんと遥さん、信用してるよ」 「なら今晩のメニューも信用しているぞ」 意地悪く、さも楽しそうに笑う遥と無邪気に笑う朔月。 「じゃあ信用を裏切らない所でシチューにします」 悠は小さく溜め息を付いた。 意外にも今現在世界の中心は朔月のようだ。 「それは神の食べ物だ」 まるで小さな宗教ではないか… シチューを崇める遥と、代弁者(調理者)朔月。 悠はいったいどんな立ち位置に自分が置かれるのだろうか考えてから、小さく笑みを浮かべたのだった。  
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