〈Ⅱ〉~悠のスランプ

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  「話が繋がらない…」 悠はそう言うとパソコンを閉じた。 「なんだ珍しいな」 ソファーに深く腰掛ける遥は、目線を読んでいた本から悠に向けた。 「悠が話に詰まるなんてな」 「たまにあるんだよ… 考え過ぎなのかな」 「そんなに難しいトリックなのか」 「僕が話を作るときは、無理な事から始めるんだ。 例えばAさんが北海道で殺人を行ったとするじゃないか、しかしその時間東京のコンビニの防犯カメラにAさんが写っていた。って感じに話を作って物語を繋げていくんだけど…」 遥はなる程と言いながら頷いているが、先程とは別な本を開いていた。 結局は他人ごとのようだ。  
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