〈Ⅱ〉~悠のスランプ

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  「ならこんな話はどうだ。 ある病に伏せる老人が…「それプラシーボ効果の話じゃないかな」 遥はまたもや何故分かった、と驚いた表情を浮かべていた。 「それ僕が話したヤツだよ。 プラシーボ効果って言ってね思い込みで本当に効果が出て来るんだよ。 例えば、ただの粉末の木の皮なのに、これは約80種類の漢方薬を混ぜ合わせて作った万能薬だ…ってコレを信じ込んで毎日偽物漢方薬を飲むと病気が治ったりするんだよ」 と悠が呆れながら説明しているのだが、遥は書斎の本棚から本を取り出し読み始めていた。 大きな溜め息を吐く悠 「溜め息ばかり吐くと幸せが逃げるぞ」 再び大きな溜め息を吐く… 「今日はもういいや」 「それがいい。 スランプなんか思い込みだ、明日にはそのプラシーボ効果とやらで書けるようになる」 悠は大きな溜め息を吐くのだった。  
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