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何か用?と彼女は言った。
かつて神々は争ったと、後の人々には伝えられた。
“曰く、それはひどく無垢な夜の化身と。
ある人間の物語である”
全てが終結した世界で“ひと”はこの世界に君臨する。
一方、人と比べて一線を越えた存在はみな、幻想となって隔離された世界に移った。
それは妖精だったり、吸血鬼だったりする。
共通するのは、種族の違いはあれど、その世界ではみな平等だと言うことだ。
“純粋過ぎたが故に、それは悲劇でしかなり得なかった。
悲劇でしか、なり得なかった”
自身を犯すものを消し去ろうとする、至極当然すぎる衝動。
相容れぬものを排除しようとするのは、ごく自然な事である。
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