何か用?と彼女は言った。

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  「って、急にお鍋とか言ってますけど、このお味噌汁とかはどうしましょう?」     そう、既にお夕飯の準備はできているようなものだった。そもそも、寒いとか言いつつ雪を降らせたのも幽々子さまであるのに。挙句、急に鍋が食べたいときたものだ。     「焼き物などはまだ調理する前だったのが幸いだったと思おう。取り合えず明日以降から減らしていけば問題ないと思うが」     色々と底なしの幽々子さまにかかれば、どれも悪くなる前に平らげそうではあるけど。それより、ここまで手間をかけてから一からまた鍋の準備をするというのも、ちょっと疲れる話だ。     「……はぁ、そういうもんですか」     嫌な顔一つせず、本当によく働く青年である。少しは見習ってもらいたいものだ。誰がとは言えないけれど。     「? 疲れているのなら妖夢殿は休んでいてくれて構わないが」     そしてこの気遣い。別にわたしに対して特別親切という訳ではなく、あの頭が弱い事で有名な氷精にさえ敬意を持って接するくらいの人なのだ。妖怪だけど。     「いいですよ、いつもの事ですし。ユーリさんの方こそ、一応は客人なのですから。それに、こういうのも悪くないかな、と」   「?」     どんな我がままであっても、あの人のために役立てることは嬉しい事だ。そして、たまに一緒に愚痴を言って、励ましてくれる人もいる。わたしは、今の生活が気に入っていた。
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