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「出来ましたよ~、って。お鍋置く場所がないじゃないですか。少しはこたつの上片付けといてくださいよ~」
てへ、と舌を出しておどける幽々子さま。たべかけのみかんとかみかんの皮とかおせんべいとか急須とか。って食べるものしかないし。
「だってお腹すいて動けないんだもん。ユーリ君片付けて~」
「心得た」
即答するあたり、彼も幽々子さまの事を理解しているのかもしれない。お腹が空いたと言った時の幽々子さまは何が何でも働かないのだ。いや、彼はいつもこうか。一旦お鍋を台所まで置きに行き、食べ物で散らかったこたつの上を片付ける。ユーリさんが布巾で上を拭いてくれた。
「「いただきます」」
「いただいてま~す」
いつもの事である。いただきます、と一言添える時間すら惜しいらしい。あ、わたしのはんぺんが。
「そう言えば次の満月の夜、神社で宴会があるって紅白が言ってたわ」
と、はんぺん(わたしの)を頬張りながら話す幽々子さま。満月の日とは、また。少しトラウマである。
「例の鬼が言い出したんですかね、神社に居候してるって言う。……もしかして幽々子さま、参加するおつもりでは」
幽々子さまはお酒を大変好んでいらっしゃる。食べる事だって好きだし、みんなで集まる宴会だったら首を突っ込まないはずがない。もう何を言っても行くつもりなんだろうなぁ。
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