第一章:カゴノナカノヒメ

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その昔 北の大陸…つまりは 今、エルフの国-ジュミア-の存在する、神秘の森シエミアは 現在のグワヴァルァの拠点である東の荒野のような岩と砂しかない荒れた土地で 氷で閉ざされていた分余計に そこは生命の有り得ない土地だったらしい が 今から2000年程前に 奇跡の魔女、ジェーミアにより 現在のような緑と氷の幻想的な森が育まれたという 森や、その国の名の由来ともなっている その魔女 ジェーミア 俺は 伝説上の人物で その話も8割方強信者による妄想話だと思っている いや 俺に限らず ルフド教徒意外の人間…少なからず、グワヴァルァの人間はそう思っていると認識していた の だが… 「本人出てきたら もう、信じるしか無いよね~」 例外が居た 「あんた そんな話 信じているのかよ…?」 俺はため息混じりに 呟く 「ん~」 と、突然 体に重量感がかかる 「ちょっ! なっ!?」 耳にかかる生暖かい吐息 「おまっ!?何やっ…!」 もがく俺 が ヴィッツはそれを全く気にした様子はなく するりと首…と、言うよりも 襟元にそいつの手がのびる 見ると、その手は襟につけられていたマイクを握っていて 「え…?」 「ま 本物かどうかは別として その名前を名乗るって事は それなりの理由があるんだろうね」 ヴィッツが それだけいうと マイクを握っていた手は再び首元を通り過ぎ 体が重量感から解放される 「……。」 コイツは… 俺は 小さくため息をつくと 前を向き直り再び足を進めた しばらく這いずると 道の終わり、つまりは通常で人が使う通路につく 俺は 扉(通気管の蓋)を静かに開と辺りを確認し 通路におり 再び辺りを見回し安全を確認する 同時に 後方のヴィッツの合図を送り ヴィッツも続いておりる お互いに顔を見合わせると 俺達は 壁に背中を預けると それに沿って静かに走りだした ヴィッツといい 自称ジェーミアの司令官様といい もしかしたら、この任務は 当初俺が思っていたもの程 安易なものなのではないのかもしれない… いや、 むしろ… まぁ そんな事はどうでもいい 俺は頭振りをし思考を打ち切ると 目の前にした 目的の扉をその両手で気持ち良く開け放った
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