2人が本棚に入れています
本棚に追加
~~~~~~~~~~~~~~
そこは
染み一つ無い純白の壁
柔らかいベッド
その他煌びやかな小物多々
それに
国一つ見渡せるような眺めのいい窓の景色
そんな印象の
広々とした個室
部屋には
一人の少女が居た
煌めく長い金の髪と
雪のような真っ白な肌
そして、済んだ海のような透き通った蒼の瞳が特徴的な少女だ
少女は
窓際の椅子に腰掛け
外の、どこともとれない遠くを
じっと見つめて
まばたきすらしていない
「……。
……来る」
不意に
唇だけを動かし彼女は呟いた
同時に
窓の、丁度正面
つまりは、その少女の背後にある
その部屋唯一の扉が
勢い良く開け放たれる
と
二人の男がその部屋に入ってきた
一方は
獣と人との間の姿をした髭面の大男で
もう一方は
銀に輝く髪に、ひどく整った、男とも女ともとれるような顔立ちが特徴的なの線の細めの男だ
「あなた方は?」
少女は
相変わらず一点を見つめたまま静かに唇だけを動かす
「あんたから
依頼を仰せつかったグワヴァルァ人だ」
線の細い男が部屋の中央へ歩きながら答える
「なるほど…」
と
少女はようやく
その
見つめていたものから視線を外すと
静かに腰を浮かし
ゆっくりとその男達に向き直る
「あなた方が
ジェーミアの使いの者ですか」
少女は淡く微笑み
今度はその男達をじっと見つめる
「……で?
ジェーミアはどこに?」
最初のコメントを投稿しよう!