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どういう事だ…?
全く、状況が理解できない…
何故
コイツ(姫)がジェーミアの事を?
それに
使いって…?
「先に申し上げましょう
今回の任務を依頼したのは
私ではありません」
その少女の言葉が
余計に俺を混乱させる
「今回の任務は
元は魔女ジェーミアが持ちかけたもの
そして、それに、レイラ=シュバーン=ラスタリアがのり
私の利もあったから
私もあなた方を受け入れたのです」
その口振りは
まるで自分が目的の姫でないようなもので…
「え~っと…
あなたがレイラ姫様であってるんですよね?」
不安になったのか
ヴィッツはそんな事を少女に訊いた
少女は
再び、うっすらと笑みを浮かべる
「半分正解」
「え?
どういう…」
「答は、彼女が教えてくれるんじゃないでしょうか?」
少女は
すっと
俺達の後方を指差す
振り向くと
そこには黒尽くめの女が居て
「いつの間に…っ」
女は俺達の間をすり抜け
前へ出る
「お久しぶりですね」
少女は相変わらずの笑顔で
今度は女を見つめる
「この子の魂(ココロ)は元気でしょうか?」
そっと自らの胸に手を当て
少女は微笑む
「元気よ」
「そう
それをきいて安心しました
じゃあ、早速、戻りましょう?」
そう言い
女にの頬にするりと手を伸ばす少女
と
女はそれが自らの頬に触れる前に弾くように払いのける
「残念です」
少女は緩く息を吐くと
弾かれた手をもう片方の手でさすりながら
2~3歩、女から距離をとる
「悪いが
あなたには今度こそ死んで貰う」
女は
そう、静かに呟くと手のひらから
青白く輝く刀を抜く
「はっ!?」
俺は彼女の言動にぎょっとして
慌てて彼女の肩を掴む
「あんた、何言って!!」
「離せ!!
コレが私本来の目的だ」
「だから、何言って!!」
「あら…
仲間割れですか?
その刀も、物騒ですし
私は一度退散させていただきましょうか…」
見ると先ほどまでは女の目の前に居た少女は
いつの間にか窓の枠に腰掛けていた
「っ!
待て!!」
女は
俺の手を振り払い
刀身を前に少女へ突っ込む
が
「また、
時を改めて…ご機嫌よう」
少女は
そのまま倒れ落ちるように窓の外に身を投げる
「なっ!?」
俺は
慌てて窓に駆け寄り
その下を覗く
が
そこに
少女の姿は無く
「…一応
教えてくれるよね?」
ヴィッツの問いかけに女は
渋い顔で
先ほどの刀を出した時と同じように
手のひらにしまうと
踵を返し
「ついてこい」
背中越しにそうこたえた
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