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黒尽くめの女について
一旦城出た俺達は
そのまま女の案内で、城付近の森へとやってきた
「オイ」
俺の呼びかけに
女は反応せず、ひたすらに前を行く
「オイ!」
俺は先ほどより強めに呼びかける
が
やはり反応は無し
「オイ!!
アンタ!!」
それが無性に腹が立って
女の肩を引っ張ると無理やりにこちらを向かせる
「何だ?」
女はようやく返事をする
「何だじゃねぇよ!
どこまで行く気だ?
結局、あれから何の説明も無しで…」
「もうじき目的の場所に着く
話はそれからだ」
女は俺の話を遮るように言うと
再び前を歩き始める
「っ!
アンタなぁ…!」
俺は
思わずかっとなり
再び女の肩を掴む
が
ヴィッツが俺の肩を軽くタップしてそれを遮る
俺は小さく舌打ちをすれば
荒々しくその手を離す
「とりあえずは
司令官様の言うとおりにしようよ」
と、相変わらず呑気な口調なヴィッツ
が
俺は、その言葉に俺は目を丸くする
「は…?
司令官様って!?」
「あれ?
気付いて無かった?
あの人、司令官様だよ~」
そういえば
あの女の声…
「司令官様の指示は、
とりあえずはきかなきゃだよね」
言いながら
俺の軽く背中を叩いて
俺はれに小さく頷くと
それ以降、素直に女の後につづいた
ま
とりあえず
ね…
しばらく森の中を進と
とある大木の前で
女は足を止める
「ん?
どうかしたのか?」
女…いや
自称ジェーミアの司令官様は
やはりその問いかけにこたえず
その大木に左手のをつける
すると
その手のひらから
青白い魔法陣が大木に広がる
「汝が主に、その姿を示せ」
司令官様がそう呟くと
その大木の奥に、ぼんやりと
漆黒ではあるが
小さな山小屋のような建物が姿を現す
「すぐに扉が閉まる
さっさと付いて来いよ」
女は
それだけ言うと、小屋へと入っていった
俺は
チラリとヴィッツに視線を向ける…が
ヴィッツは、司令官様の言うとおりにさっさと小屋に入ってしまった
俺は
また小さく舌打ちをすると
その後につづいた
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