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今回の
俺たちの目的は、
噛み砕いて説明すると
この、ラスタリア城への潜入
そして
当ラスタリア王国の君主ディライ=シュヴァーン=ラスタリアの一人娘にして姫君
レイラ=シュヴァーン=ラスタリアを…
盗む
『まぁ
いちいちこっちから指示なんてしなくても…セドリックが目的さえ果たせれば…』
何言い晒してくれとんじゃこの阿呆は?
そこらの民家に小銭を盗みに行っとるのとはワケが違うんだぞ?
なんて言えば
『大丈夫大丈夫
先生はセドリックを信じてるさぁ~』
多分
いや
絶対、無理
ム~リ~
こんな大仕事に
この配人って…
出発の前に、
上からこんな話を聞いた
今回の任務の依頼者は他でもない
レイラ本人である事
そして
リスクに見合わない低報酬である事
なら、
下っ端に任せりゃ良いさ
的な話。
いや
まず断れ、と
そういう話じゃねぇの?
『「いやいや、
困ってる人がいたらほっとけないっしょ~」』
……
重なって聴こえる声
まさか…
なるべく心穏やかに
声の聞こえた方…つまりは、後方頭上をゆっくりと見上げる
「やっほ」
扉の上からひょっこりと顔を覗かせる人とも獣ともとれるそいつ…当任務の司令補佐官であるヴィッツは
やる気のない緩い笑みを浮かべていた
「覗きじゃん…」
俺の現在位置
男子トイレ個室
勿論施錠済み
「何で此処にいんだよ」
と
ヴィッツは
何も言わず
へら~
っと笑う
イラッ
「あでッ!?」
渾身の後ろ蹴りで
その扉ごと、ソイツを蹴り倒す
何を考えてるのか!?
バカなのか!?
破滅的なバカなのか!!?
いや
わかってはいたが
「も~
痛いじゃん
扉も壊して~
ぷんぷん!」
黙れ!!
~~~~~~~~~~~~~~
現在
任務執行中
位置
ラスタリア城太陽の棟(西の棟)上層部、通気管内
俺と
そしてヴィッツは
四つん這いになりその中をズリズリと進んでいた
「で?
何っで
指示役のアンタが本拠に乗り込んでるんだよっ」
前を見たまま
後方を付いて来るヴィッツに問う
「いや~
何かさ~
先生、指示役に向かないからって
主司令官様に…」
司令官様
ごもっともです
が
何故今更?
なんて
口に出さずにつっこんでみる
「あのさぁ
司令官様
ひとりで指揮って大変だよね~」
誰のせいだ
「まぁね~?
多分、俺が居ても居なくても一緒なんだろうけどさぁ」
へらへらした口調で
自らの役立たず宣言
オゥ
自覚ありでしたか
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