第四章:No.1

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「二宮、緊張しなくていいからな!」 「練習通りにいこう」 仲間の声に頷いて、興奮を抑える。 たかが練習試合だと自分に言い聞かせた。全国大会に比べれば緊張なんて桁違いだ。 だが、郁はコートに足を踏み入れた瞬間に自分の足が震えていることに気付く。 そして痛めた腰が疼いた。別にまた痛めたわけではない。ただ、トラウマのような何かが郁の心を支配していた。 走れるのか? シュートをうてるのか? ドリブルできるか? ジャンプできるか? ・・・
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