第四章:No.1

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これ以上恥をかきたくない。 試合なんて、もうでたくない。 郁の手は震えていた。 「試合が怖いなら、ベンチでおとなしくしてればいい」 郁の様子を悟った中目黒はそう言い放った。 いつもの穏やかな中目黒からは考えられないような口調だ。 「こんな程度の試合でビビってたら、バスケなんてできねーよ」 さらに郁を罵倒する。 と同時にタイムアウトが終わった。 「松下先輩、黒田先輩じゃなくて俺にボール集めてください」 そう言って中目黒はコートにあがった。 郁はただそれについていくしかなかった。
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