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差し延べられた手に一瞬戸惑うも、そっと掴んで愛先輩に起こしてもらう。
顔から火がでるというのはこういうことなんだろうな。
「びっくりしたよ・・・」
「俺もです・・・」
自然と笑みがこぼれた。
災い転じて福となすというのか、転んだおかげで気まずい雰囲気もない。
なら、この勢いにまかせて言おう。
「あの、昨日は、なんか、すいません」
そういって、深く頭を下げた。
「わ、わたしこそいきなりごめん!ビンタとか、有り得ないよね!」
上目づかいに早口で謝る愛先輩。
こんなふうに謝られるのなら煮ようが焼かれようが許してしまいそうだ。
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