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「うぐ・・・」
練習が半分を過ぎたころ、郁は既に気力で体を動かしていた。
「ブランクがある郁には、キツイかもね」
息をあげながらも、まだまだ顔色のいい中目黒。
横では吉沢が仰向けに倒れている。
「そーいえば、なんで昨日休んだの?」
そう聞かれて、郁は朝から必死に考えていた言い訳を使う。
「俺、中学ん時さー腰痛めてて、それの病院だよ」
「カラオケねー」
「はぅっ・・・!!」
な、なぜそれを!
「会田さんって人から聞いた」
会田さんは郁のクラスメートの女子で、昨日一緒にカラオケに行ったメンバーの一人だ。
「あ、いや、あのどすぇな」
バレてた・・・!!
これは焦る。
「まぁ、別にサボるのは構わないけどさ、ウチは人数少ない上に岸さんが怪我してる。嫌でも監督は郁を使わなきゃいけない」
嫌でも、かよ。
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