第一章:ショートヘアーの彼女

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入学式から2日たった。裏庭のゴールへはあの日以来まだ足を運んでいない。 愛先輩(勝手にそう呼ぶことにしている)に会いたいという願望がある反面、行く勇気がどうしてもでないのだ。 特にすることのない帰宅部員の数少ない楽しみは学校帰りに本屋へ立ち寄ることだった。 「激戦区、神奈川!堂本工業エース桜VS大和学園エース牧島」 見覚えのある名前の前に足が止まる。 ひと月ずつ発行されるバスケット雑誌だった。郁も昔は毎月欠かさずのに読んでいた。
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