第一章:ショートヘアーの彼女

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確かに中目黒は速かった。郁の経験の中でもめったに出会うことのないスピードだった。 けれど、郁には見えていた。中目黒が目のフェイクをした時、左足のつま先に若干ながら体重がかかった。 "右に抜くことはない" 案の定、中目黒は左に踏み込んだ。 「・・・!!」 けれど、身体がついていかなかった。 鉛のように重たいこの身体が。
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